マリオットボンヴォイ参加の国内最高級ホテル「翠嵐(すいらん)ラグジュアリーコレクションホテル京都」は、平安時代の貴族たちに愛され栄えてきた嵯峨嵐山に所在。明治時代の建造物をベースに純和風ホテルとして2015年に開業された最新鋭のホテルです。
まずは翠嵐の風光明媚な雰囲気を以下のYouTube動画でご確認ください。正面の門からレセプション、そして宿泊棟に至るまでの映像を収録しております。翠嵐に到着すると、このような美しい日本庭園を楽しみながらレセプションまで歩き抜けることができます。
翠嵐滞在中は嵐山独特の優美な雰囲気に包まれながら、敷地内に流れる緩やかな時間の中で和の粋を存分に味わうことができ、身も心も芯から癒すことができました。今回の滞在では翠嵐の客室の中でも、スイートルームなどとびきりラグジュアリーな3つのお部屋を楽しんで参りました。本記事では翠嵐のお部屋の紹介を中心とした宿泊レビューと、私なりに考えた「翠嵐を徹底的に楽しむワザ」を随所でご紹介します。
ぜひ本記事を最後までゆっくりとお楽しみください。
【マイラーズ!プロコン評価】
・Pros(良い点):渡月橋のある保津川のほとりという嵐山随一のロケーションや、最新でありながら和の趣が素晴らしい設備、京都らしさを存分に楽しめるお食事、そしてホスピタリティの行き届いたスタッフなど、全てが最高最上級の評価です。
・Cons(いまいちな点):宿泊はもちろん、お食事など全てお値段が高めです。逆にお金をかければかけるほどラグジュアリーに過ごすことができます。
イントロダクション
私はマリオットボンヴォイのファンとして、これまで数々の系列ホテルに宿泊してきたのですが、国内最上級ホテル「翠嵐ラグジュアリーコレクションホテル京都」にはまだ一度も泊まったことがなく、いつかは泊まってみたいと願っておりました。
このホテルが所在する嵐山は京都の中でも有数の紅葉スポットとなっており、シーズンになると予約を確保するのはとても困難で、観光客の数もピークに達します。そこで今回は11月の本格的な紅葉シーズンから少し前の、落ち着いた秋の嵐山が楽しめそうな10月下旬に予約を入れてみました。
上の写真は10月下旬の翠嵐滞在時に撮影した写真ですが、紅葉時期でなくても十分に綺麗な嵐山と保津川を楽しむことができました。むしろ紅葉シーズンの大変な人混みをあえて避けるというのもあり、なのではないかと思います。
予約
翠嵐は、日本国内で初めて最高級ホテルブランド「ラグジュアリーコレクション」を冠したホテルです。マリオットボンヴォイ参加ホテルのグレードを表すカテゴリーは最上級の「カテゴリー7」となっており、最もスタンダードなお部屋で5万円以上、秋のハイシーズンは10万円を超えてきます。
私は今回の京都旅行をとびきり贅沢なものにしたかったので、翠嵐のスイートルームを予約しました。
翠嵐にはスイートルームが4室あります。翠嵐のスイートルームは、それぞれ異なるテーマを持ってデザインされたお部屋になっております。今回はせっかくなので同じ部屋で2泊するのではなく、1泊ずつ別のスイートルームを予約し、2種類のお部屋のテーマを楽しんでみることにしました。予約したお部屋は以下の通りです。
1泊目:渡月(とげつ)エグゼクティブスイート
2泊目:暁露(あかときつゆ)エグゼクティブスイート
翠嵐は以下のマリオットボンヴォイ公式サイトから予約が可能です。
今回の滞在ではこの2つのお部屋の他に「京月琴(きょうつきこと)プレミアム和室」というお部屋も拝見することができました。この記事では合計3つのラグジュアリー感溢れる翠嵐のお部屋をご紹介していきます。
翠嵐を楽しむワザ1:マリオットボンヴォイの上級会員になる
まずは翠嵐を楽しむワザ、その1をご紹介します。
翠嵐は世界最大のホテルチェーン「マリオット・インターナショナル」の会員システム「マリオットボンヴォイ」の参加ホテルなので、マリオットボンヴォイの上級会員になって宿泊するとさまざまなメリットを得ることできます。
ゴールドエリートとして翠嵐に宿泊することでより多くのポイントを獲得することができます。そのポイントを貯めればマリオットボンヴォイのホテルに無料で宿泊できますので、とてもお得です。
また空室状況などにもよりますが、ゴールドエリート会員の資格を持って宿泊すれば、お部屋のアップグレードやレイトチェックアウトなども期待できます。
ゴールドエリート会員であれば、翠嵐のレストランでの飲食は15%の割引が適用されます。翠嵐に宿泊する予定がありましたら、マリオットボンヴォイの上級会員になっておくことをお勧めします。
さらにプラチナエリート会員という上級会員の資格を獲得しておけば、税別4,000円の翠嵐のとても美味しい朝食を無料でいただくこともできます。プラチナエリート会員であれば翠嵐のレストランは20%割引になります。
翠嵐へのアクセス
翠嵐は最寄駅が京福電鉄 嵐山駅(嵐電嵐山駅)となっており、この駅から徒歩で約10分です。
東京方面からアクセスする場合は新幹線が最も便利で、新幹線がとまるJR京都駅でJR嵯峨野線に乗り換え、JR嵯峨嵐山駅で降りると徒歩約15〜20分で翠嵐に到着することができます。
また、翠嵐では宿泊者向けのサービスとして片道の送迎を行なっています。JR京都駅からはタクシーで送迎、嵯峨嵐山駅や嵐電嵐山駅からは人力車で送迎してくれます。
私は東京に住んでいるので、今回の京都旅行は東京駅から新幹線でJR京都駅にいきました。新幹線は午前9時半頃に乗ってJR京都駅に到着したのは12時過ぎでちょうどお昼時でしたので、京都に寄ったら必ず食べる「松葉のにしんそば」をいただきました。
松葉はにしんそば発祥のお店で、お店の歴史は150年以上になります。松葉は京都に3店舗あり、そのうちの1つが京都駅店ということで新幹線のコンコース内にあります。
松葉のにしんそばは、甘く炊かれた「にしん」がとても大きくて香ばしく、食べていると京都独特の優しい出汁へにしんの香ばしさが溶け込んでいき美味しくなっていくのです。
翠嵐を楽しむワザ2:翠嵐へのアクセスはトロッコ列車と人力車の組み合わせが最強
私は今回、翠嵐への道を徹底的に楽しむために、東京から翠嵐までのアクセスルートを次のように計画しました。
- 東京駅—京都駅(JR新幹線 約2時間20分)
- 京都駅—馬堀駅(JR嵯峨野線 約25分)
- 馬堀駅—トロッコ亀岡駅(徒歩約5分)
- トロッコ亀岡駅—トロッコ嵯峨駅(嵯峨野トロッコ列車 約25分)
- トロッコ嵯峨駅—翠嵐(人力車 約15分)
翠嵐が手配する無料の人力車は、JR嵯峨嵐山駅からの送迎となりますが、一旦、その駅を通過してJR馬堀駅まで行き、トロッコ亀岡駅からトロッコ列車に乗ります。
このルートにより、トロッコで嵯峨野の山や川の風景を楽しんだあと、トロッコから降りてすぐに人力車に乗って翠嵐に向かうという、スペシャルなアクセスが可能になるのです。
このようなアクセスをこっそり用意しておけば、同行する方への素敵なサプライズになること請け合いです。
嵯峨野トロッコ列車はJR西日本のサイトで事前に予約、人力車も翠嵐にお願いして事前に予約しておきました。嵯峨野トロッコ列車の切符は当日購入が困難ですので、事前にJR西日本のサイト「JRおでかけネット」で予約しておくことをお勧めします。
トロッコ嵯峨駅に到着すると、すぐに翠嵐から手配されてきた人力車が待ち構えていてくれました。翠嵐が手配してくれたのは、嵐山で有名な「えびす屋」の人力車です。
今回は若い女性の俥夫さんでしたが、えびす屋・嵐山總本店では数いる俥夫の中でも女性はたったの二人とのことでしたので、ラッキーでした。
かわいい俥夫さんに人力車をひいてもらいながら案内をしていただき、途中、渡月橋や保津川、嵐山を背景に写真を撮ってもらいながら、翠嵐に到着しました。人力車の高い視線から、趣のある翠嵐の門がどんどん迫ってくるビジュアルは忘れられないほど素敵なものでした。
人力車は翠嵐訪問までの道のりを最高に演出してくれます。さらに嵯峨野トロッコ列車を組み合わせれば最強なものになることでしょう。
チェックイン
翠嵐の正面玄関をくぐると、そこは落ち着いた静寂の風情にラグジュアリー感を満載した和の空間でした。
小径を歩きながら2つ目の門をくぐると、そこに翠嵐のレセプションがあります。レセプションでソファに座りながら、ウェルカムドリンクの優しいお茶をいただきながらチェックインの手続きをしました。
ソファの周辺はガラス張りになっていて、中庭の庭園や翠嵐の宿泊棟を眺めることができます。翠嵐滞在とお部屋への期待は最高潮になる瞬間で、私も興奮を抑えるのはとても困難でした。
翠嵐の門をくぐり、レセプションでチェックインするまでに感じたことは、翠嵐のスタッフの見た目や対応のスマートさで、そのレベルの高さに驚きました。翠嵐はまだ新しく、ネットではスタッフの対応がまだこなれていないという口コミが多くあったのですがそれは全くの杞憂で、今はラグジュアリーコレクションの名にふさわしく高いレベルに達している、と評価して間違いはありません。
翠嵐を楽しむワザ3:シャンパン ディライトを必ず楽しむ
翠嵐では宿泊者へのサービスとして「シャンパン ディライト」を提供しています。シャンパン ディライトとは、翠嵐の敷地内にあるカフェ「茶寮 八翠」にて、シャンパンを無料でいただくことができる素敵なサービスなのです。
【シャンパン ディライト】
- サービス提供時間:16:30〜18:00
- 会場:「茶寮 八翠」
- 費用:無料(宿泊者限定)
茶寮 八翠は、築100年以上の歴史的建造物「八賞軒」を継承した建物で、保津川に面したとても趣のあるカフェです。座席数は44席、うちテラス席が14席あり、テラス席からは保津川と嵐山を真正面に、渡月橋を臨む絶景を楽しむことができます。
翠嵐のシャンパン ディライトで提供されるシャンパンは「HENRIOT(アンリオ)」の高級シャンパーニュです。嵐山の絶景を眺めながら、上質で香り高いシャンパンをいただくひとときは最高です。
いただけるのはシャンパンの他に赤白のワイン、またコーヒーやソフトドリンクなどもいただけます。いただける杯数に制限はありません。
シャンパン ディライトではドライフルーツなどのおつまみもいただけます。バナナの香りがシャンパンととてもよく合います。
翠嵐に宿泊の際は、必ずこのシャンパン ディライトを楽しむことをおすすめします。最高の景色を美味しいシャンパンを眺めながら過ごす…これは翠嵐宿泊者のみが許される最高の経験なのです。
「渡月(とげつ)エグゼクティブスイート」レビュー
翠嵐にチェックインをしてシャンパン ディライトを楽しんだあとは、いよいよスイートルームへの入室です。今回予約した翠嵐の1つ目のスイートルームは「渡月(とげつ)エグゼクティブスイート」です。
「渡月」のスペックですが、客室サイズ60m2、ダブルベッド2台のスイートルームです。お部屋はリビングルームとベッドルーム、そしてベランダには温泉露天風呂が完備されています。
「渡月」のコンセプトはその名の通りお部屋から渡月橋を見ることができる、落ち着いたモダンなインテリアのスイートルームでした。
お部屋から見える渡月橋です。お隣の綺麗な「小倉百人一首殿堂 時雨殿」とそのお庭の向こうに渡月橋がぎりぎり見えます。
「渡月」はフローリングのお部屋で、ダークブラウンの床にピアノ調の黒で統一された家具が配置されたシックなインテリアになっています。窓の向こうにはベランダがあり、嵐山を一望することができます。
ベランダに出てみましょう。これが「渡月」からの眺望です。手前は翠嵐の庭園があり、その向こうに見えるのが嵐山です。この素晴らしい景色のお部屋に泊まることができる幸せで心がいっぱいになる瞬間でした。
ベランダを背にして見たお部屋の中です。大きな液晶TVがソファ横に装備されています。奥に見えるのが入り口で、入って右側にはベッドルームがあります。ベッドルームに行ってみましょう。
こちらがベッドルームです。ダブルベッドが2台装備されています。ベッドはほどよい柔らかさでとても心地よく眠ることができました。ベッドの前にも液晶TVが装備されており、その横には大きなクローゼットがあります。
続いて洗面所をみてみましょう。シンクは2台あり余裕のある広さです。大理石の洗面台と大きな鏡、そして壁と床にはストーンのパネルが使われており、全体的にとても高級感があります。
アメニティはニューヨークのスパブランド「REMEDE(ルメードゥ)」。世界中のラグジュアリークラスのホテルで採用されている高級ブランドのアメニティです。もみじ模様の手鏡が、さりげなく嵐山らしい彩を添えてくれています。
これは翠嵐名物「翠嵐の石けん」です。
翠嵐のスイートルームには全て置いてありましたが、この石けんは翠嵐オリジナルのもので、ものすごくこだわって作られているのです。翠嵐のスタッフさんに教えていただいたのですが、柚子栽培発祥の地であり京都名産の「水尾の柚子」と、京都産の檜油で京都の職人さんが手作りした、純正京都産のオーガニック石けんとのこと。スタッフさん曰く、「この石けんは翠嵐の温泉と最高の相性になるように作られています。これを使って温泉に入ると信じられないほど肌がつるつるになるんです。」とのことです。素晴らしいですね。
ちなみにこの石けんは翠嵐のお土産として4個入りで2,700円で販売されています。翠嵐オリジナルのお土産として最高ですね。
では期待の「温泉露天風呂」を見てみましょう。洗面所からシャワールームを抜けると、ベランダに設置されている温泉露天風呂に辿り着くことができます。
「渡月」は温泉露天風呂がベランダに装備されております。仕切りがありますので外から見えることはなく、嵐山の風景を楽しみながら入浴することができます。
翠嵐「渡月」の温泉風呂です。ふたを半分だけ開けてみました。石造りで、フレームが檜になっており、高級感のある香り高いお風呂です。
嵐山の温泉は低張性の弱アルカリ性温泉。嵐山は温泉地としてはマイナーでまだ5件ほどの宿しか温泉が引かれておらず、翠嵐はそのひとつになる貴重なお宿なのです。でもその泉質は本当に優しく、さらさらで、しかも軽く入浴するだけでポカポカ感がずっと維持されるという、まさに「嵐山らしさが感じられる素晴らしいお湯」でした。
翠嵐のスイートルームはお部屋の交換時にお湯を全て抜き、新しい温泉を入れて加熱しているとのことです。なので混じりっけのない、きれいなお湯なのです。
夜になると間接照明で、「渡月」の雰囲気はさらにシックになります。ソファでのんびりしたり、好きな時に温泉に入ったり、嵐山を眺めたりなど、気ままに過ごすことができます。
翠嵐を楽しむワザ4:夜の嵐山を楽しむ
翠嵐は嵐山宿泊という、京都宿泊の中でもかなり特別感のある宿泊ができるのですが、嵐山に宿泊した者のみが楽しめるのが「夜の嵐山」です。この写真は雨に濡れた渡月橋ですが、私以外に橋の上に立つ者はおりません。日中は多くの観光客で賑わう嵐山も、宿泊客はかなり少ないので、夜になると人がほとんどいなくなるのです。
これが夜の「嵐電嵐山駅」です。嵐山に一度でも行った方ならご存知かと思いますが、この駅は一年中すごい人で賑わっています。それが夜になると、キレイにライトアップされているにも関わらず、ほとんど人がいなくなるのです。
これは嵐電嵐山駅にある光のオブジェ「キモノ・フォレスト」です。約600本の京友禅のポールが立てられており、LEDで輝く艶やかな「着物の林」を楽しむことができます。そして夜は誰もいません…この風景を完全に独り占めです。
日中はすごい人になっている嵐山駅の「龍の愛宕池」もご覧の通り、誰もおりません。ゆっくりと龍に願い事を祈ることができます。これは本当にキレイでした。
翠嵐に泊まった際には、ぜひ夜の嵐山を楽しんでください。翠嵐から渡月橋や嵐電嵐山駅は徒歩で7,8分です。翠嵐から渡月橋に向かう際は、くれぐれも川には落ちないように気をつけてください。
翠嵐を楽しむワザ5:早朝の嵐山散歩を楽しむ
翠嵐に泊まったら、夜の嵐山だけでなく「早朝の嵐山」も楽しみましょう。嵐山に訪れる観光客の多くは電車でやってくるのですが、早朝の嵐山はまだ人もまだらで空いています。そう、早朝の人が少ない嵐山を楽しむことができるのは嵐山宿泊客の特権なのです。
翠嵐からの早朝のお散歩でお勧めなのが、天龍寺の隣にある「嵐山・竹林の小径」です。竹林の小径は翠嵐からのんびり歩いて15分ほど。翠嵐の門をくぐり、渡月橋まで保津川沿いを歩き、渡月橋から天龍寺を抜けてすぐにあります。千年以上の歴史がある竹林の小径には、嵐山の上質な真っ直ぐの竹が数万本生えており、その風景は圧巻です。
ただし竹林の小径は嵐山でも最も人の多い嵐電嵐山駅の周辺から近く、日中は観光客でいっぱいです。紅葉の時期などの混雑期になるとものすごい人の数で、通り抜けるのもやっとの状況になります。
ところが早朝はほとんど人がいません。できれば朝、6時頃に行ってみましょう。誰もいない竹林の小径を楽しむことができるはずです。
誰もいない竹林の小径を通ると、日中は人のざわめきで耳にすることができない「竹の音」を聞くことができます。竹がきしんだり、竹と竹がぶつかり合ったり、笹が風に揺れたりなど、竹が放つさまざまな音のハーモニーを、誰もいない小径に佇みながら楽しむことができるのです。
「暁露(あかときつゆ)エグゼクティブスイート」レビュー
続いて宿泊したのが「暁露(あかときつゆ)エグゼクティブスイート」です。暁露は翠嵐の2階でスイートルーム「渡月」の隣に位置しています。渡月も暁露も、嵐山と保津川を臨むことができますが、渡月は渡月橋側、暁露はその反対側になります。
「暁露」はYouTube動画でもご紹介しております。まずは記事をお読みになる前に、この動画をご覧ください。お部屋の全体感をご確認いただくことができます。
それでは続いてお部屋の詳細をレビューしていきます。
「暁露」は、客室サイズ60m2、キングベッド1台で、お部屋はリビングルームとベッドルーム、ベランダには温泉露天風呂が装備されているスイートルームです。「暁露」はリビングルームもベッドルームも畳敷きで、全体的に和調の落ち着いた雰囲気のお部屋になっております。
リビングルームには大きな窓があり、障子を開くと翠嵐のシンボルツリーである赤松が真正面に見えます。この窓から見える赤松は大きな絵画のようにとても迫力があり、窓の下にあるソファからいつまでも眺めていることができ、飽きることはありません。
こちらが「暁露」のベッドルームです。畳のお部屋にキングサイズのベッドが置かれており、ベッドルームにも大きな窓がついていて、翠嵐のレストラン「京 翠嵐」の屋根と、その向こうには嵐山を臨むことができます。このベッドルームには大きなクローゼットと、壁がけの液晶テレビが装備されています。ベッドの硬さはほどよく、気持ちよく眠ることができます。
「暁露」のリビングルームから見たシャワールームです。シャワールームはガラス張りになっておりますが、このガラスには木調のブラインドが装備されているので、室内からの目隠しをすることも可能です。
シャワールームの右側に写っているのは、フローリングのリビングスペースです。
このリビングスペースには一人がけのソファと小さなテーブルが置いてあり、嵐山を眺めながらお茶を飲むなど、のんびりと楽しむことができます。
こちらが「暁露」の洗面所です。洗面所は左側にシャワールーム、右側に温泉露天風呂があり、全面ガラス張りでとても開放感があります。アメニティは「渡月」の項でもご紹介しましたが、高級アメニティのルメードゥで、もちろん嵐山の泉質と相性ぴったりの「翠嵐の石けん」も置いてあります。
温泉露天風呂には洗面所からアクセスすることができます。お風呂には小高い仕切りがありますので、外から入浴姿を見られることはありません。「渡月」のレビューにも書きましたが、翠嵐の温泉の質はさらさらで本当に気持ちがよく、高品質な温泉に入浴しながら嵐山の絶景を楽しむことができます。
温泉を入りながら楽しめる嵐山の景色です。右側にはシンボルツリーの赤松が見えます。温泉風呂を立って小高い仕切りから見える景色は、翠嵐の中庭と保津川、そして嵐山という最高のビューです。
「暁露」はいつでも好きなときに温泉露天風呂を楽しむことができます。夜に入浴すると、ライトアップされた赤松を入浴しながら楽しむことができます。写真の左上に写っていますが、夜の青い空と黒い嵐山のコントラストも素敵です。
「暁露」のミニバーです。光沢のある漆黒がお部屋をさらに高めてくれます。上には鉄瓶と湯呑みのお茶セットと、コーヒーメーカーが置いてあり、中には冷蔵庫とミニバーセットが収納されています。
「暁露」のリビングルームに装備されている液晶テレビです。「暁露」にはテレビと合わせてBOSEのサウンドシステムが装備されており、Bluetooth通信で手持ちのスマートフォンと接続して好きな音楽を高音質で楽しむことができます。
本記事では4つある翠嵐のスイートルームのうち、「渡月」と「暁露」の2つのお部屋をご紹介しました。この写真は翠嵐の中庭から嵐山を背にして見た宿泊棟ですが、「渡月」は黄色い枠、「暁露」は青い枠のお部屋で、宿泊棟2階の角部屋として隣接しています。ちなみにオレンジの枠のお部屋は「翠嵐(すいらん)プレデンシャルコーナースイート」です。
「渡月」と「暁露」の両方を宿泊した経験から評価すると、個人的な好みも含めて「暁露」をお勧めします。
眺めは「渡月」の渡月橋を取るか、「暁露」の赤松を取るかの違いですが、赤松のほうが近くて迫力があります。「暁露」は翠嵐の中庭に面しているため、レストランから窓やベランダが見えてしまうことから、プライバシー感は「渡月」のほうがあるかもしれません。部屋の作りは「暁露」のほうが構造的に使いやすく、畳による和の雰囲気にとても高級感があり、嵐山滞在には合っていると感じました。
「京月琴(きょうつきこと)プレミアム和室」レビュー
続いて紹介するのが、翠嵐の高級客室「京月琴(きょうつきこと)プレミアム和室」です。この「京月琴」は、「渡月」「暁露」の下に位置する1階のお部屋になります。
スペックは客室サイズが65m2、定員6名でベッドは無く、布団でお休みをすることができる和室のお部屋です。家族や団体の旅行などにはぴったりなお部屋なのではないでしょうか。
お部屋は上の写真のような大きな和室のリビングと、洗面所、そして温泉風呂があります。私はある理由により、この「京月琴」を特別に利用させていただくことができました。
「京月琴」にはこのような大きな専用のお庭があるのが特徴です。お庭は大きなガラスの引き戸で全面的に楽しむことができます。
垣根の上には嵐山の景色が楽しめます。この日はあいにくの雨降りでしたが、しっとりと濡れて霧がかっている嵐山も、とても味わい深いものがありました。
お部屋からみて右側のお庭です。白く太い木と枝垂れた細い木がライトアップされています。
引き戸を広く開けてお庭を眺めてみました。左側にはかえでが植えられていました。季節になればとてもきれいな紅葉を楽しめるのではないでしょうか。苔もきれいに生えており、手入れが行き届いたお庭は眺めていて飽きません。 2階の「渡月」や「暁露」のいいですが、1階の「京月琴」も落ち着いていていい雰囲気です。
「京月琴」の洗面所です。6人部屋なので広々としています。洗面所を温めるためのオイルヒーターも装備されていました。洗面所の奥がシャワールームになります。壁や床が石作りになっていて、とても高級感があります。
「京月琴」の温泉風呂です。温泉風呂には洗面所からアクセスします。このお風呂は露天風呂ではありませんが、ガラス越しにお庭を眺めながらゆっくりと温泉に浸かることができます。
「京月琴」は翠嵐の数あるお部屋の中でも、最も伝統的な和室のお部屋で、純粋な和旅館としての宿泊を味わうことができます。例えば高齢の両親を連れての2世代の嵐山旅行などには最適なのではないでしょうか。1階ということでアクセスもよく、家族一緒に気兼ねなく楽しむことができるはずです。
翠嵐を楽しむワザ6:お食事は翠嵐で楽しむ
嵐山には数多くの飲食店が建ち並んでいます。嵐山名物の湯豆腐から京懐石、そしてフレンチやイタリアンなどの各国料理、そしておしゃれなカフェもたくさんあります。しかし私が翠嵐ステイでお勧めしたいのが「朝食もディナーも、ティータイムまで翠嵐で楽しむ」というスタイルです。その主な理由は以下の通りです。
- 翠嵐のお料理はとてもレベルが高い
- 翠嵐のレストランやカフェの雰囲気は眺望は嵐山のお店の中でも最上級
私が翠嵐での宿泊で、飲食やカフェ利用まで翠嵐の中で楽しむことをお勧めする理由は、この3点です。本項では翠嵐の朝食とディナーのレビューを記載していきますが、ご覧いただければ翠嵐のお食事のレベルの高さがお判りいただけると思います。そして翠嵐のレストランとカフェは歴史的建造物がベースになっていることから、「本物の風格」が醸し出す内装・外装の雰囲気は他を寄せ付けないレベルです。レストラン「京 翠嵐」の眺望は、嵐山とともに翠嵐の完成された中庭と迫力ある赤松を楽しむことができ、カフェ「茶寮 八翠」は前述の通り保津川のほとりという最高のロケーションで眺望を楽しむことができます。これらの眺望を超える嵐山のレストラン、カフェはなかなか見つけるのが困難なのではないでしょうか。事実、宿泊客以外でも翠嵐のレストランやカフェは人気で、食事のみで翠嵐を訪れる人も少なくありません。せっかく翠嵐に泊まったのであれば、ぜひ翠嵐でのお食事をお勧めします。
翠嵐の朝食
翠嵐の朝食はレストラン「京 翠嵐」でいただくことができます。この「京 翠嵐」は、翠嵐の敷地にあった歴史的建造物「延命閣」をリノベーションされた建物で、歴史的な風格と当時の豪華さを保ちながら、モダンな雰囲気を兼ね備えたとても素敵なレストランです。
「京 翠嵐」は翠嵐の中庭に面しており、大きなガラス窓から長い年月を重ねて完成された日本庭園を楽しむことができます。
翠嵐の朝食の価格は、税別で4,000円。プラチナエリート会員であれば無料でいただくことができます。
翠嵐の朝食は和食・洋食のいずれかを選択することができます。和食も朝食も、ジュース、前菜、チーズは同じで、メインディッシュが和か洋になります。和食は焼魚や薬味とご飯(もしくはおかゆ)、洋食は卵料理とシャルキュトリーとパン。
前菜はこのような小鉢から好きなものを好きなだけいただくことができます。どれもかわいく、そして美味しいのです。
翠嵐の朝食、和食バージョンです。ご飯は炊いたものかおかゆかを選ぶことができます。おかゆにはとろみがついた餡がついており、餡かけにしていただくことができます。和食をおかゆでオーダーすると、赤出汁のお味噌汁はついてきませんが追加でお願いすればいただくことができます。
こちらが翠嵐の朝食、洋食バージョンです。卵料理はオムレツ・スクランブルエッグ・目玉焼きから、パンはクロワッサン・胡桃パン・トーストから選ぶことができます。
これらの写真はいずれも私がオーダーしいただいた朝食なのですが、和食・洋食いずれも楽しんだ私の経験から、翠嵐の朝食は絶対に和食を選ぶべき、との結論に至りました。
翠嵐の和朝食は、京料理らしく出汁をベースとした優しい味付けでとても美味しく、「京 翠嵐」の雰囲気と合間って、ひとくちいただく度に「翠嵐に泊まって本当によかった」と実感することができる朝食でした。私はプラチナエリート会員なので無料でいただきましたが、有料でもいただくべき朝食です。
翠嵐で楽しむ鉄板焼きディナー
翠嵐のレストラン「京 翠嵐」には、44席のダイニング席の他に、10席の個室、そして4席の「観山」という鉄板焼き専用個室があります。私はせっかくなので翠嵐で最高のディナーを楽しむために、鉄板焼きを楽しむことにしました。オーダーしたコースは「観山 清流」、税別で25,000円です。追加料金でお肉をアップグレードしていただきました。
担当いただいたシェフは、神戸の鉄板焼き名門店で長い年月務めた後に、翠嵐のレストランに抜擢された方でした。高度な技術はもちろんのこと、にこやかで優しくトークが上手な、楽しく、そして安定感の素晴らしい翠嵐のシェフでした。
鉄板焼きのコースですが、前菜にフォアグラやキャビア、お造り、魚介に活あわびに雲丹のブールブラン、お野菜、そして近江牛、最後にフライドライスです。コース内容は季節によって変わるようです。
シェフが調理している上の写真は、ちょうど活あわびをさばいているシーンです。
あわびは肝が大きくてとても味わい深く、一緒にオーダーした京都のお酒にぴったりでした。お酒も京都の地ビールに京都の日本酒、そして白ワインというコースでいただきました。
こちらが翠嵐の鉄板焼きでいただいた和牛です。コースでは近江牛でしたが、数千円で別のブランドのお肉にアップグレードできるとのことでお願いしました。(何のブランド牛に変えてもらったのかは覚えていません)
焼きあがったお肉です。焼き具合はミディアムレアでお願いしました。3種類のたれや岩塩、本わさびでいただくことができます。上質のお肉のお味は、もはや語るまでもありません。美味しいお料理にお酒もどんどん進みます。
翠嵐のレストラン「京 翠嵐」の鉄板焼きは、プライベートな専用個室で腕利きのシェフを独占してディナー楽しむことができます。ちょっと値段は張りますが、翠嵐ステイを最高にラグジュアリーに楽しみたい場合はぜひ選択してみてください。
翠嵐でお勧めのスイーツ
翠嵐のスイーツでお勧めなのがこの「翡翠もち」です。翠嵐のカフェ「茶寮 八翠」でいただくことができます。この翡翠もちは、歴史ある京都の老舗「一保堂茶舗」の抹茶を使った葛もちで、名前の通り翡翠のような色と艶のあるスイーツです。
翡翠もちには、きな粉と黒糖シロップがついており、自分の好みに合わせた分だけふりかけていただくことができます。私は甘いものがちょっと苦手なのですが、黒糖シロップを控えれば翡翠もちのほんのりとした甘さだけで楽しむことができ、抹茶の香りがとても良く、コーヒーにもぴったりと合います。
翠嵐に宿泊の際は、ぜひこの「翡翠もち」を試してください。このスイーツは翠嵐でしか楽しむことができません。カフェ「茶寮 八翠」で保津川を眺めながら、翡翠もちをいただきながらコーヒーをいただくティータイムは、翠嵐ステイをさらに格別なものにしてくれるはずです。
翠嵐を楽しむワザ7:貸切温泉露天風呂を楽しむ
翠嵐の客室は全39室ですが、温泉風呂が装備されたお部屋は17室のみになり、「翠月」と「月の音」というお部屋には温泉風呂がありません。しかし温泉風呂が装備されていないお部屋に泊まった際でも翠嵐で嵐山温泉を楽しむことができます。
翠嵐には宿泊者しか利用することができない貸切温泉露天風呂「洛(らく)」と「庵(あん)」という2つのプライベートスパがあります。利用料金は45分間で1回1組3,500円(税・サービス料、入湯税別)です。
嵐山の宿泊施設の中でも、温泉がある宿はかなり限定的です。そして嵐山の温泉はさらさらでとても上質で、絶対に入浴する価値があります。翠嵐に泊まった際はぜひ温泉を楽しむことをお勧めします。
私が泊まったお部屋には温泉露天風呂が装備されていましたが、せっかくなので利用料を追加で支払い、貸切温泉露天風呂にも入ってみました。
翠嵐の貸切温泉露天風呂は最上階の3階にあります。私がお借りしたのは「庵」というお風呂です。この小さな道を抜けるとプライベートスパ「庵」があります。
「庵」は岩風呂の露天風呂でした。ちなみに「洛」は檜風呂とのことです。脱衣所も広くて快適です。
温泉に入りながら見える景色です。「庵」には小さな庭園があり、竹や楓などが植えられています。紅葉の時期はとても綺麗なのではないでしょうか。翠嵐の最上階とは思えない風景です。垣根の向こうも竹林のようで、とても静かで笹のざわめきしか聞こえてきません。この日は少し雨が降っていましたが、しっとりとしたお庭を眺めながら嵐山の温泉に浸かり、とても気持ちいい時間を過ごすことができました。
翠嵐を楽しむワザ8:帰りも人力車を手配する
翠嵐を楽しむワザの最後は、翠嵐からの帰り方です。帰り方で私がお勧めしたいのが、「帰りも人力車」です。翠嵐の送迎サービスは片道だけですので、帰りの分は有料で手配することになります。翠嵐からJR嵯峨嵐山駅まで一区間となり、料金は2名で4,000円となります。
わざわざ帰りに4千円も払って駅まで?と思われるかもしれません。しかしJR嵯峨嵐山駅までは徒歩で15〜20分ほどかかりますので、この距離を荷物を持ちながら駅まで歩くのは、せっかくの翠嵐ステイが興ざめになりかねません。
もう一つの選択肢としてタクシーがあります。タクシーであれば片道1千円前後で嵯峨嵐山駅まで到着できます。でもタクシーではあっという間に駅に着いてしまって、便利ではありますが、せっかくの嵐山宿泊で、やはりそれだけではもったいないのではないでしょうか。
翠嵐宿泊を最後の最後まで楽しむために、ぜひ人力車を手配しましょう。
今回の翠嵐ステイの後半は雨でした。しかしこのような天候でも人力車でゆっくりと、俥夫さんとの会話や嵐山の風景を楽しみながら帰ることができれば、素敵な翠嵐宿泊の余韻がいつまでも続くことは間違いありません。
総評
翠嵐というホテルは、外資系のホテルでありながら純和風ホテルで、歴史的建造物のテイストを大切に残しながら最新の設備を持つ施設に改築されており、トラディショナルとモダンが絶妙に融合した新しいタイプのホテルでした。建物やお部屋だけでなく、スタッフさんが提供するサービスや、お食事など、ソフト面においても、ザ・ラグジュアリー・コレクションのチームによる徹底したデザインが施されており、ハードとソフトの両面で新しい体験を楽しむことができました。
嵐山の風光明媚な景色に包まれながら宿泊をして、翠嵐を拠点にして快適に嵐山観光をして、宿泊者のみが楽しめる誰もいない嵐山の夜と朝をお散歩し、翠嵐の中で温泉やグルメを楽しむ…翠嵐はそんな非日常の特別な時間を過ごすことができるホテルでした。
翠嵐ラグジュアリーコレクションホテル京都、ぜひあなたの大切な人と一緒に泊まってみてください。忘れられない嵯峨嵐山ステイを共有できることは間違いありません。マリオットボンヴォイと翠嵐を愛するひとりのファンとして、心からお勧めいたします。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
翠嵐ラグジュアリーコレクションホテル京都 基本情報
- 住所:〒616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町12
- 電話番号:075-872-0101
- 公式サイト:翠嵐ラグジュアリーコレクションホテル京都
- アクセス:JR山陰本線 嵯峨野線 嵯峨嵐山駅から徒歩15〜20分、京福電鉄 嵐電嵐山駅より徒歩10分